第3回東京競馬3日目の芝1600ｍで行われた新馬戦で、サートゥルナーリア産駒のコートアリシアンが2着に5馬身の差をつけて圧勝した。2024年新種牡馬チャンピオン争いの本命と目されるサートゥルナーリアにとって、これが産駒の初勝利となった。また、募集本馬グラッド9の半兄マキシマムドライブが、門別競馬場でデビュー2戦目を3馬身差、続くJRA認定アタックチャレンジ競走を5馬身差で楽勝し、妹のブラックタイプに厚みを加えている。
　「不敗のまま皐月賞に勝ち、3歳暮れの有馬記念でも2着したサートゥルナーリアは素晴らしい資質を持った競走馬だと思っています。その父ロードカナロアとも相性が良かったココロノアイには迷わずに配合しました」と酒井牧場代表の酒井一馬さん。そうして生まれた本馬は「お嬢様」と形容したくなるほどの美しいフォルムと気品を備えている。
　「冬の間も休まず夜間放牧を行ってきましたが、まったく意に介さなかったようで、どんどん体重が増えていき、6月上旬現在で馬体重も435キロになりました」と目を細める酒井さん。4月下旬生まれということもあって幼さも感じた当歳募集時と比べると、首さしに力強さが備わり腹袋も存在感を増したが、上体のつくりは軽く、筋肉の質は柔軟で、何より身体全体のバランスが抜群に整っている。繋はやや短めだがクッション性に富み、尾離れが良いと表現されるコンフォメーションには背腰の強さが表現されている。自立心が強く、放牧地では「独りでいる事が多い（酒井さん談）」そうだが、他馬に対しては激しい闘争心を向けることもあるとのこと。競走馬として総合力の高いタイプと言えそうだ。
　「血統通り優れた資質を両親から受け継いでいると思います。ココロノアイではたくさんの夢を見ることが出来ました。今度は、その仔で、多くの会員の方と一緒に夢を見たい」という酒井さんの言葉が心に響いた。