スラっと伸びた四肢が印象に残った当歳募集開始から約7か月。現役活躍中のオープン馬クリノマジンの半妹グラッド5が、初夏を迎えて素晴らしい成長を見せている。
　その父ダノンレジェンドは、初年度産駒からアンタレスSを勝ったミッキーヌチバナを輩出し、2年目産駒からも、現在、南関東重賞を3連勝中で南関最強馬の呼び声も高いサヨノネイチヤが登場。明け3歳世代の4年目産駒からも今年4月のネクストスター北日本（中央認定）を制した快速馬ストリームを送り出す。
　一方のステイゴールド産駒の母トリンカファイブは元クラブ所属馬で、父の産駒らしい気性が災いして体重維持に苦労したが、デビュー3戦目の小倉芝1200m戦では追い込んで2着するなど能力の一端は示して見せた。
　グラッド5は、この組み合わせらしい筋力の強さと気の強さを備えており、なだらかな傾斜角の肩と、クッション性に富んだ繋が手先の軽い動きを可能にしている。そしてここにきて一気に目立つようになったのが、強烈なキック力の源泉となるヨロの充実ぶりだ。
　「この春に夜間放牧を始めて以降、全体的に筋肉がついて、馬体重も1歳6月上旬現在で387キロと順調に身体が増えてきました。いい意味で当歳時から印象が変わってきましたよ」と話す高昭牧場専務の上山貴永さんの表情も自然と緩む。
　「気の強さは母譲りで、馬同士だと特にキツいところがあります。脚の回転が早く、放牧地では見せるダッシュ力と加速力に優れたピッチ走法は兄のクリノマジンによく似ていて、やはり短いところで力を発揮してくれそうです。春を迎えて身体に幅がだいぶ出てきましたが、馬体、精神面共に、まだ伸びしろを多く残している馬だと思いますので、その成長も含めて楽しんでいただきたいです」と上山さん。初夏の日差しを受けながらそう話す表情からは、楽しみに思う気持ちがひしひしと伝わってきた。