1991年のオークスでシスタートウショウ以下をねじ伏せた“裸足のシンデレラ”イソノルーブルのDNAを受け継ぎ、その後継繁殖として、新馬、新潟2歳Sを連勝して皐月賞とダービーへ駒を進めたモンストール、クローバー賞2着トラストワン、大阪-ハンブルクカップを勝ったディアマンミノルなど、これ迄にJRAに送り出した8頭の仔が合計19勝を挙げた母イソノスワロー。そのラストクロップであるヒーロー26が、ラインナップに華を添えてくれた。
　「イソノスワローにとって3年ぶりの仔で、そして最後の仔になります。あの年は本当に馬の体調が良くて、受胎してくれるという確信めいたものがありましたね。牝馬を産んで欲しいという思いもあって選んだのがルーラーシップです」と村下農場代表の村下公典さんが振り返る。
　出産が予定日から3週間ほど遅れたのは、イソノスワローが自身の全てを仔に注ぎたいという、母としての“最後の思い”からだったのかもしれない。
　そうして無事に誕生したヒーロー26は、スクスクと成長し、1歳6月現在の馬体重は410キロ。身体全体にまだ子供っぽさを残すものの、長躯短背を絵に描いたようなシルエットで、発達した浅胸筋と上腕三頭筋が目を惹く。すらりと伸びた手脚は軽く、肩から低めに伸びる首と連動してストライドの大きな歩様を見せている。
　父ルーラーシップは、現役最強ステイヤーのヘデントールと、現役最強マイラーのソウルラッシュの父。クラブ会員の皆様にはアーリントンカップを勝ったディスペランツァの父として馴染みが深いだろう。消長が激しい種牡馬の世界で7年連続トップ10にランクインしている実績は高く評価されてしかるべきだ。
　「久しぶりのクラブ提供となりますが、自分の中では期待の大きな馬です。たくさんの会員の方々と喜びを分かち合いたいです」と村下さん。たっぷりの自信と共に堂々のラインナップだ。