札幌2歳Sを勝ち、オークスは3着。そして3歳夏のクイーンSで年長馬を捻じ伏せると、秋華賞では3角手前から勝ったリバティアイランドの内に並びかける積極的な競馬で4着。結果、負けはしたが近年の最強牝馬世代を代表する1頭となったドゥーラの半妹をご紹介出来ることを大変嬉しく思う。ゆったりと伸びがあり、重心の低い馬体。そして肩関節の可動域が広く、力強い後肢の踏み込みにぜひご注目いただきたい。
　「欧州古牡馬チャンピオンのノーブルミッションは、名馬フランケルと1歳違いの全弟です。日本でフランケルの直仔が好成績を残していたので、導入が発表された時から、どの繁殖牝馬に配合しようか楽しみにしていました」とノーブルミッションへの熱い思いを口にするグランデファーム代表の衣斐浩さん。「イシスとの配合はノーザンダンサーの系統ぐるみのクロスになる上、少々遠いですがバックパサーやメノウも同時にクロスするA級配合です。今年から産駒をデビューさせているモズアスコットも、このサイアーラインと日本の競馬との相性の良さを示しているのが心強い」と目を輝かせながら配合のポイントについて教えてくれた。
　「最も気に入っているのは飛節。それから皮膚。後躯の張りなどもドゥーラと良く似ています。今の段階では適性距離はまだ分かりませんが、クビの使い方が上手で動きに無駄がなく、柔らかい動きをするので、芝の中長距離に向きそうです」とグラッド23を前に衣斐さんも、とても満足そうだ。8月末の段階で既に初期馴致を完了して騎乗段階に移行しているが、スタッフからは「脚捌きが軽く、乗り味の良い馬。乗り運動を開始して体は締まってきましたが、大きくなってきている」と嬉しい報告も。8月末現在、馬体重は452キロ。「イシスとの出会いは神様が与えてくれたチャンスだと思っています。このチャンスを『次』に繋げるためにも活躍を期待しています」と衣斐さんが力を込めた。