これ迄にエーピーインディ産駒のインディペンデンスやサンデーサイレンス産駒のパッショナルダンスなど魅力的な生産馬を提供していただいた丸幸小林牧場から、かつてのクラブ募集馬の仔がライナップされた。
　「丈夫に生まれて成長過程も順調そのもの。セリでも注目を集めると思いますが、ジェルミナーレの仔はあまり遅くならないうちにクラブへと思っていました」と提供の経緯を話すのは丸幸小林牧場代表の小林泰子さん。
　ヒーロー20は母の第4仔。1歳6月上旬時点の馬体重が445キロと雄大な馬体を誇り、放牧地では大きな身体を持て余すことなく長い手脚で軽快なステップを踏み、機敏な動きを見せる。踏み込みの深い後躯の運びに軽やかな前肢の捌き、そしてスピードに乗った時の動きの鋭さと完歩の大きさが色彩鮮やかな将来像を描く。
　現役時、国内外のGI6勝を挙げたモーリスは、父としてもジェラルディーナや昨年の朝日杯FSの勝馬アドマイヤズームなど日豪で6頭のGI馬を送り出す。産駒は仕上がりが早く成長力があり、今年の2歳戦開幕週には、いきなり2頭の勝馬が誕生した。母父アドマイヤムーンとの組み合わせには重賞3勝馬ノースブリッジがいる。
　「牧場で本馬を見たほとんど全ての方が褒めてくれます」と小林さん。本馬の管理予定トレーナーは、この春パンジャタワーでNHKマイルCを制した橋口慎介調教師だ。「23年のセレクトセールで馬主様に購買していただいた現2歳の姉が橋口厩舎の管理馬で、橋口調教師もその姉を大変高く評価してくれていたので、そのご縁で本馬の事をお話したところ、わさわざ牧場まで馬を見に来てくれて、ひと目で気に入っていただき預託を快諾していただききました。先生もとても楽しみにしてくれています」と教えてくれた。「祖母からのファミリーは精神力が強く、芝でもダートでも結果を残してくれますが、本馬は芝でスピードを生かすイメージです」と未来に想いを馳せて小林さんが言葉を結んだ。