-
RECENTLY NEWS -近況情報-
2025年3月
3月中旬現在、高村牧場で午後1時~翌朝6時迄の昼夜放牧が行われている。高村代表は「今年は2月から昼夜放牧を続けていますが、出来が落ちる気配はなく、そして兎に角、いつ見ても元気いっぱいで、この仔は疲れることがあるのだろうかと不思議になる位です(笑)。馬体は脚が長くなって上に大きくなりました。体重もしっかりと増えていますし、順調な成長ぶりです。全兄もすこぶる元気な仔でしたが、牡馬の分、それがストレートに表に出ていたのに対して、こちらは我慢が利くと言うか、そのエネルギーを普段は内に秘めて、使い所がきたら発揮するという感じですね」とのことだ。3月上旬時点の馬体重は342キロ。
2025年2月
高村牧場で放牧されている。2月1週目に、それ迄の日中放牧から昼夜放牧に切り替えた。2月中旬現在、午後1時~翌朝6時迄の昼夜放牧中。高村代表は「馬体は程よい筋肉と、程よい脂肪のつき方をするようになってきました。なお胸前が一部白くなっていますが、牧柵で擦って毛が抜けてそうなったもので、皮膚病ではありません。人が大好きで、例えば写真を撮りに放牧地に入ると、すぐに寄ってきます。ただ寄って来過ぎる位で、ゼロ距離まで詰めて離れないので写真が全然撮れない位ですよ。その一方で、馬にはかなり強い面を見せるようになり、目つきが強くなりました」とのことだ。2月上旬の馬体重は322キロ。
2025年1月
1月中旬現在、高村牧場で午前5時から放牧して、午後3時頃に収牧する日中放牧が行われている。高村代表は「この中間、馬体は全体的にバランスよく成長していて、体重も300キロ台に乗りました。放牧地でも堂々としていて、雰囲気が出てきましたね。他の馬と比べても大人びて見えますし、この時期にしては毛艶が良くて張りがあり、体調の良さが伝わってきます。今は、先日に降った雪が積もってまだあり、放牧地はクッションが効いてますが、今年は雪が少ないです。幸い、ここまでに蹄を痛めたりなどありませんが、この先もしっかり管理していきます」とのことだ。1月上旬の馬体重は303キロ。
2024年12月
高村牧場で放牧されている。11月下旬に昼夜放牧から日中放牧に切り替え、12月中旬現在、午前5時~午後3時の日中放牧が行われている。高村代表は「今年は、馬体の成長を促しつつ疲れをしっかり取り、放牧地で運動して筋肉をつけてエサもしっかり食べさせるという考えで、例年より早く日中放牧に切り替えました。中間は、いい意味で我が強くなってきましたね。恐らく、動けるので馬も自信があるからだと思います。その辺は上手くコントロールしながら管理していきたいです。上のグラッド10(父オルフェーブル)の同時期より身体はひと回り大きく、順調な成長振りですよ」とのことだ。12月上旬の馬体重は283キロ。
2024年11月
高村牧場で放牧中。10月上旬に離乳して、11月中旬現在、午後2時~翌朝8時迄の昼夜放牧が行われている。高村代表は「離乳では、お母さんはやや渋った様子を見せましたが、この仔は、離乳そのものに気がつかなかったのかなと思う位、様子が変わらず、スムーズでした。現在はヒーロー12(母アンジュミニョン)とも一緒に昼夜放牧を行っています。11月に入って気温が結構下がってきていますが、一応、今月中は昼夜放牧を行っていきます。馬は毎日、放牧地で元気いっぱいに過ごしていて、山の上の放牧地へ行く時には、バネの利いた走りで山坂を駆け上がって行きますよ」とのことだ。11月中旬の馬体重は266キロ。
-
CATALOG TEXT
「シルバーティムールの活躍があって、再度母にリアルスティールを種付けして産まれたのが本馬ですが、その兄と比べても別格です。『この馬で夢を見たい』。ヒーロー13は自然とそんな気持ちにさせてくれる馬です」と高村牧場代表の高村祐太郎さんが胸を張る。
シルバーティムールは2023年の大寒桜賞と山藤賞で2着し、1勝クラスの芝2600m戦では古馬を圧倒。ところが、夏の上がり馬として菊花賞戦線へ名乗りを上げると思われた矢先、屈腱炎のため無念の涙を流した。ヒーロー13はその全妹であり、お陰様で先日満口となった現1歳馬グラッド10の半妹である。
父のリアルスティールは2016年のドバイターフ優勝馬であり、日本産の日本調教馬として初めて米国エクリプス賞最優秀芝牝馬を受賞したラヴズオンリーユーの全兄。現役時代はドゥラメンテやキタサンブラック、サトノクラウンらと鎬を削り、引退後は種牡馬として様々なステージで活躍する産駒を送り出す。中でもサウジダービーとUAEダービーに勝ち、ケンタッキーダービーでも、あわやのシーンを作ったフォーエバーヤングが日本のホースマンに与えた勇気は計り知れない。
ヒーロー13は、勿論、まだまだ当歳馬らしく幼い身体つきながら、ひと目見ただけで出来の良さが伝わる好馬体の持ち主。血統的には、名種牡馬キングマンボ(キングカメハメハなどの父)と名繁殖牝馬モネヴァシア(全欧2歳女王ランブルスティルツキンなどの母)の3×3の全兄妹クロス、そして、その母ミエスクの4×4クロスを内包しているのが特徴だ。
「骨格と筋肉のバランスが秀逸で、正直、思い描いていた以上の出来です。特にインナーマッスルと運動能力の高さに手応えを強く感じます。笑われるかもしれませんが、10年に1度あるかないかのチャンスが巡ってきたと真剣に思っています」と高村さん。“夢の原石”を来秋までしっかり磨き上げることを、熱を帯びた口調で力強く約束してくれた。