スパイキュール産駒の評価が急上昇中だ。初年度産駒は12頭がデビューし4頭が勝ち上がると、2世代目もデビューした9頭中5頭が勝ち上がり、3世代目産駒のベルモントレーサーが北海道2歳優駿で2着。そして地方競馬に目を転じてみれば、大井、園田、笠松、金沢、名古屋で重賞勝馬を輩出と、産駒数は少ないながらも、その活躍が話題になっている。
　「堅実な血統ですし、縁があれば欲しいなって思っていた馬なんです」とチェスナットファームの広瀬亨代表。厩舎から引いて出された牝馬は、成長の余地をたっぷりと残しながらもシャープな脚さばきと薄い皮膚、そしてゆったりと伸びのある馬体が印象的な1頭だ。「今まで経験したことがないくらい尾の力が強い馬なんです」と広瀬氏。写真では確認し難いかもしれないが、本馬の尾根はとても太く、実に力強い。尾は脊椎の末端であり、腰の強さとも関係していると言われる部位だ。コンサイナーとして接してきたからこそ、見落としてしまいそうな長所にもしっかりと目が届くのだろう。
　本格的なトレーニングは2月に行なう予定の化骨検査を終えてからとのことだが、既にBTCの1周600mの屋内トラックと1000mの屋内直線コースでスピード感溢れる動きを見せている。そんな本馬に「競走向きの強い悍性を持っている馬ですから、テンションが上がり過ぎないように心がけています。仕上げに苦労するタイプでもなさそうですし、夏競馬に使えるように上手に導いてあげたい」と育成牧場らしく目標を語ってくれた。