2010年、JRA総合サイアーランキングにおいて15年間続いたサンデーサイレンス系の牙城を崩したキングカメハメハの産駒が“ネクサス”世代のラインナップに加わることになった。半兄には2007年春のクラシックシーズンを沸かせたマイネルシーガルがいる。マイネルシーガルは2歳時に新馬～いちょうＳを連勝。3歳になるとジュニアＣ快勝を足がかりに、スプリングＳ2着から皐月賞に駒を進め、秋にはマイル路線へ矛先を転じてGⅢ・富士Sを制した。半兄2頭が市場で高値で取引されたことも話題のひとつかもしれない。
　「なんていうか、ひと言で言えば惚れちゃったんですよ」とチェスナットファームの広瀬亨さんが嬉しそうな表情で本馬を紹介してくれた。500キロを超える雄大な馬格。昨年のジャパンＣを勝ったローズキングダムと同じキングカメハメハ×サンデーサイレンスの配合。一目見て本馬の雰囲気に魅了され、実際に跨がって心を奪われたという。
　すでに1歳5月から馴致を開始し、8月の後半からは騎乗運動をスタートさせていたという。「最初はゆるいかなって思ったんですが、それはバネだったんですね」と広瀬氏。1月末現在で、BTCのトラックコースで3000m弱。時計にすれば20秒程度だが、坂路ではハロン18秒を楽にマークしている。
　「まだ馬に無理をさせていないのですが、オン、オフの切り替えが上手で、古馬のような大人びた雰囲気があります。楽しみという以外に言葉が見つからないですね」と期待している。