昨秋の中山競馬場で準OP特別を勝ち、この春も小倉大賞典（GⅢ）で上位を賑わすなど活躍中のマルカボルトの半妹が登場だ。
　その母ラパシオンは芝のスプリント戦を主戦場に活躍。笹地牧場で繁殖入りした後は準OP勝ち2勝を含む現役5勝馬である前述のマルカボルトを送り出している。募集本馬ロイヤル19は、その母と2004年の欧州最優秀3歳牡馬に輝いたバゴとの組み合わせで誕生した。
　ご覧の通り、決して大型馬ではないが、均整の取れた馬体で、歩かせた際の脚捌きのしなやかさが好印象の1頭。笹地牧場では、今年も4月より恒例の昼夜放牧が行われているが、緑一面に覆われた放牧地内では、それによる疲れを全く感じさせない溌剌とした動きで仲間を引き連れて駆け回っている。素軽い身のこなしが目立つと共に、既にかなりの基礎体力を備えていることが窺い知れる。そして、自分より馬格の大きな馬にも一歩も引かないその姿は、競走馬としての闘争心を連想させ、頼もしい限りだ。
　「4月から寒くなる秋の終わり頃まで昼夜放牧で馬に負荷をかけていくのが、ウチのスタイルです。本馬も現状では小柄な部類に入ると思いますが、全体のバランスは整っていますし、馬体を形成するパーツのひとつひとつは、良い形をしていると思います。見映えはしないかもしれませんが、こういう馬が昼夜放牧を終えて負荷が軽くなった瞬間、それまで押さえつけられていたものが一気に解放されるように、ガラッと変わってくるんですよ。競走馬としてのタイプは違うかもしれませんが、最近で言えばトゥニーポートがそんな感じでした。そういう馬ほど、競馬場で結果を残してくれるんです」と笹地牧場代表の笹地清幸さん。その顔には、信念の昼夜放牧を経て生産馬が一体どんな姿を見せてくれるのか、今から楽しみでたまらないといった表情が浮かんでいた。