2歳夏の新馬戦を楽勝し、一息入れたファンタジーSで2着。そして阪神ジュベナイルフィリーズでは3番人気に支持された。それが本馬の母ツルマルグラマーだ。半弟には日経賞を制した他、菊花賞2着、天皇賞・春2着のアルナスラインがいるようにスピードとスタミナを兼ね備えた血統だ。
　「重賞2着馬ですから競走馬としてももちろんですが、繁殖牝馬としても競走年齢に達した5頭の仔どもの全てがJRAで出走し、2頭で3勝。まだ勝てていない現3歳馬のツルマルナイトを含めた残り3頭についても全て入着経験有りという成績です」と市川牧場代表の市川孝司さんが、ツルマルグラマーの繁殖成績に胸を張る。「ツルマルグラマーが繁殖牝馬になった年から預からせてもらっているということもあって、鶴田オーナーから譲り受けることが出来た馬です。大切に育てなければいけないと責任の重さを感じています」と、その表情を引き締めている。
　父に選ばれたのはダービー馬タニノギムレット。ウオッカをはじめ、ダービー2着のスマイルジャックや今年のオークスで1番人気になったミッドサマーフェアなど活躍馬を多数送り出している名種牡馬の1頭だ。しかし、「同じ牝馬ということもありますが、兄姉との比較ではツルマルワンピースと似た雰囲気を感じますし、体型的には、母の父に入るフジキセキが表現されているような気がします」と市川さん。確かにコロンとした体型で、放牧地をスピード感満点に走りまわる姿は頼もしい。母が、姉が1歩足りなかったビッグタイトルへ標準をピタリと合わせたい。